用語説明

ITU(国際電気通信連合)

International Telecommunication Union

世界的な電気通信ネットワークおよびサービスを調整する国際組織で,各国政府および私企業が参加している。1865年パリで創立された国際電信連合が1947年アトランティックシティで再編成され,国際連合の専門機関として再発足したもので,電信・電話・無線電信サービスに関する国際協力を促進し,周波数の割当て,登録を行い(電波干渉防止),電気通信を人命救助等に役立てている。さらに宇宙空間における電気通信に関する勧告や研究を行っている。本部はジュネーブにある。電気通信セクタはCCITTと呼ばれていたが,改称されITU-Tと呼ばれる。ITUは,実際の標準作成作業等を担当しているITU-T(ITU-Telecommunication Standardization Sector;電気通信標準化部門)およびITU-R(ITU-Radio Communication Sector;無線通信部門)と,技術協力活動を担当するITU-D(ITU-Telecommunication Development Sector;電気通信開発部門)の3つのセクタから構成されている(図)。これらの活動には,188のMember States(1999年10月時点に国がメンバとして加盟しているもの)と,500のSector Membersが参加している。

世界の電気通信計画,制度,機器,システムの標準化を行っている。無線通信規則の改正,無線通信の技術・運用等の問題の研究および勧告の作成,周波数の割当・登録を行うのがITU-Rである。また電気通信開発の促進を図るために,発展途上国に対して技術協力を行うのがITU-Dである。各セクタの下に研究部会(SG:Study Group)があり,研究課題ごとに審議が行われる。

◆ 《CCITT(International Telegraph and Telephone Consultative Committee;国際電信電話諮問委員会)》

ITUの下部機関でデータ伝送を含む通信関係の国際標準化を行う。1993年3月よりITU-Tに改称された。

◆ 《Sector Members》

通信事業者やメーカ等,民間企業等で各セクタごとに参加しているもの。

図_国際電気通信連合(ITU)の組織構成