用語説明

JPLAN

UM(User Module)が容易に持ち運び可能で,1台のCM(Control Module)と通信するUM数の増減に柔軟に対応できるパーソナル化19 GHz帯高速無線LANシステム

本システムは,VJ25方式*と同様に構内無線局19 GHz帯データ伝送用無線設備標準規格(RCR STD-34A)に準拠し,CMにイーサネット(10BASE-Tおよび100BASE-TX),UMにPCMCIAの各インタフェースを有している。

* VJ25方式:従来NTTが開発してきた19 GHz帯無線LANシステム。商品名はWL-100およびその小型化機WL-100Ⅱで,約15 Mbit/sの最高スループットを誇り,多様なアプリケーションに対応できるシステム。

◆ 《RTMA(Radio Token Multiple Access)方式》

JPLANのようにCMとUMの両者が複数の指向性アンテナで構成されているシステムにおいて,無線回線の制御と通信開始制御を行うもの。JPLANのようなシステムの場合,双方のアンテナが指向性を持っているために,通信開始に先立って双方のアンテナの指向性をそれぞれ電波の到来方向に向ける必要がある。これを行うために,従来のシステムでは無線フレーム中に互いの使用するアンテナに関する情報を乗せて,これを事前に交換することで実現していた。これに対し,RTMA方式では一定長の無線フレームとそのフレームの先頭に配置された無線トークンを用いることでアンテナ情報を交換することなく制御を行う。

本方式の場合,UM装置起動時にUMはCMから一定周期で送信されている無線トークンを観測する。観測結果からUMは無線トークンを観測できたUMのアンテナセクタが通信に使用可能であると判断し,自局のアンテナを固定する。以後,無線トークンが受信できた場合に「現在自局とCMの間に有効な伝送路がある」と判断するのと同時に,無線トークンの受信成功により「通信開始許可が与えられた」と認識してパケットを伝送開始する。これによりCMとUMは互いに自局の使用するアンテナに関する情報を一切交換することなく,通信可能な電波伝搬路と通信開始許可を得て通信を始めることができるようになる。