用語説明

OTDR(光パルス試験器)

Optical Time Domain Reflectmeter

ファイバの片端から光パルスを入射し,光ファイバ長手方向の各点で反射されて入射端に戻ってくる光パワーの距離分布を解析することによって,光ファイバの損失,接続点までの距離と接続損失および接続点で生じた反射量,ファイバが破断した場合の破断点までの距離を測定する測定器。光線路の建設,保守用測定器として広く使われている。

◆ 《コヒーレントOTDR(Coherent Optical Time Domain Reflectometer)》

試験光に周波数と位相の揃ったコヒーレント光を使用し,ヘテロダイン検波技術により受信感度を向上させるとともに光ファイバアンプと組み合わせることで高ダイナミックレンジ化を図った光パルス試験器。高ダイナミックレンジが得られることから,試験距離の拡大と試験時間の短縮ができる。上り心線に送出した測定パルスの後方散乱光を,下り心線に折り返しOTDRに波形表示するため各中継器区間においても制度の高い光ファイバの故障点の探索が可能となる。

◆ 《双方向OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)法》

光非線形現象を用いない方法として,光ファイバ中で発生する後方散乱光を光パルス試験器(OTDR)で測定し,その測定波形を計算処理することによって波長分散分布を評価する技術。

本評価技術ではOTDRの測定距離,すなわち100 km以上の光伝送路の波長分散分布を評価できる可能性を有するとともに,通常のOTDRを用いた簡単な構成で測定が行えるというメリットを持っている。

測定装置は,4つの異なる波長を有するOTDRと,その測定装置の制御,およびデータ処理を行う計算機の2部から構成される(図)。

図_双方向OTDR法の構成