用語説明

TMNアーキテクチャ

Telecommunications Management Network

TMNアーキテクチャは通信管理ネットワーク体系のことで,複数のベンダで製造された多種類の電気通信装置で構成される電気通信網を適切に管理するための標準的なインタフェース,プロトコルアーキテクチャを規定している。建築にたとえると「入母屋づくり」,「寄せ棟づくり」等の建築様式と使用すべき建築材料を明らかにする。TMNに従うことにより,OpSやNE(Network Element,伝送装置や交換機等の電気通信装置)が複数のベンダから提供された場合でも,OpSとNEが容易に接続可能となる。

◆ 《Qインタフェース》

TMNにおいて,オペレーションシステムとネットワーク装置の間で規定されたインタフェース。QインタフェースのうちQ3インタフェースではOSI管理で標準化されているCMIPをプロトコルとして採用している。伝送装置や終端点といったモデル化したネットワークリソース管理オブジェクト(MO)に対応付け,OpS側にOSI管理システムのマネージャ機能(MOを監視/制御する機能)を,電気通信装置側にエージェント機能(マネージャからのMO管理操作を受け取りMOを制御する,またMOからの警報等を通知情報としてマネージャに通知する機能)を配置する。

◆ 《ONR(Object-oriented Network Resource;オブジェクト指向ネットワークリソース)モデル》

ITU-Tにおいて議論されているTMNにおいて,オペレーションを実行するモデルとなるもの。電気通信網の管理に必要な設備,パス終端点,リンクといったネットワーク・リソースを,抽象化し普遍性を持たせたMOの集合体として表現したもの。これらのMOをOpSやNEに配備することで,OpSは通信装置の種別を意識することなく,オペレーションに関連したMOを操作することにより自由にネットワークの監視や制御を行うことができる。

◆ 《TLV形式》

TMN伝送のOpS関連。MO間インタフェースにおける,固有パラメータの記載表記方式。識別子;type,長さ;length,値;valueからなる表現形式。抽象構文表記法1(ASN.1)の基本符号化則等で用いられている。Qインタフェースの転送構文を参考にしている。