用語説明

VGUIDE(ブイガイド)

複数異機種コンピュータから構成されるマルチベンダ環境で,アプリケーションプログラム(AP)を開発するためのNTTが開発したソフトウェア開発支援ツールのこと。コンピュータのソフトウェアを単純化するとオペレーティング・システム(OS)と業務アプリケーションに分けて考えられる。システム開発者から見ると,ハードウェアの上にOSが搭載されたものが提供されて,この上に業務アプリケーションを開発することになる。OSが提供する機能は,非常に多くのユーザを視野においた汎用的で基本的なものとなることから,OS直上に業務アプリケーションを開発することが大きな負担と考えられるようになった。そこでOSと業務アプリケーションの間に,OSよりは目的をその情報システムが提供するサービスごとに絞った共通の機能群が整備されるようになった。これがミドルソフトウェアと呼ばれる製品。

そして情報システムの形態が汎用機集中型から,分散型に進化するのに伴って,このミドルソフトウェアが分散システムに跨った機能として進化したのが,今日のクライアント/サーバシステム構築用のミドルソフトウェアである。

VGUIDEはこのようなミドルソフトウェアの中で,非常に強力な機能を装備した製品である。図にVGUIDEの主な機能と構成を示す。

VGUIDEには以下の特徴がある。

① データベース管理システム,サーバそしてクライアントとして多くの選択肢があり,これらの組合せが業務アプリケーションに影響しないように工夫されている。

② クライアント側では20種類を超すリンク機能が提供されていて,多様なソフト開発が可能である。

③ サーバ側にはCPと呼ぶ第4世代言語が提供されていて,生産性が高く業務を開発できる。

④ サーバ側にはオンライントランザクション制御機能があり,高性能の情報システムを実現できる。

⑤ サーバとクライアントの間には遠隔データベースアクセス(RDA)機能と遠隔手続き呼出し(RPC)機能の2つがあり,目的に合わせた効率的な分散処理ができる。

◆ 《LINK機構》

パソコンやワークステーション上のユーザインタフェースを実現するソフトウェア製品とミドルソフトウェアをつなぐVGUIDEで提供する仕掛け。具体的には,これらの製品が持つ固有のマクロとかスクリプト等と呼ばれる高水準のプログラミング言語を拡張した形で,ミドルソフトウェアの提供する機能を利用できるようにしたもの。

◆ 《VG/World Wide Link》

インターネットWWWサーバの形式でつくられた文書とVGUIDEでつくられた基幹システムを接続するソフトウェア製品。WWWサーバの文書を参照する中で,企業の更新系を含む基幹情報システムにアクセスすることが可能になる。WWWサーバの中にVGUIDEのクライアント機能を埋め込み,WWWサーバをVGUIDEでつくる基幹システムのクライアントとして働かせる。

◆ 《VGLINK(ヴィジーリンク)》

VGUIDEのミドルソフトウェアの機能と,パソコン等のクライアント側の一般市販ソフトウェアを連結する機構。例えば,EXCEL,WINGZ,VisualBASIC,PowerBuilder,SQL-Windows,LotusNotesなどのポピュラーな製品とVGUIDEを連結している。

図_VGUIDEの機能と構成