用語説明

VI&P総合実験

NTTでは,21世紀のサービスビジョンVI&P実現に向けて,ネットワーク設備とサービスシステムの総合的な機能確認,技術評価を行うため,1991年4月から狭帯域ISDNサービス実験を進めてきた。1993年4月からはその第2段階として,光通信による新しいサービスの充実とアプリケーションの創造をテーマに,家庭向けマルチメディアサービスとビジネス向け高速コンピュータ通信などの実験を行っている。また1995年4月からはその第3段階として,「私の電話・私のサービス」を実施するパーソナルマルチメディア通信(PMC:Personal Multimedia Communication)を開始した。PMCでは,PHS端末の移動性,ターミナル・モビリティを生かした「端末形PMCサービス:PHS端末を非電話通信サービスに適用するため外部にモデムを接続してディジタルアクセスを実現するサービス,PHS本来のディジタル通信の特徴を生かした32 kbit/sベアラ通信を実現するサービス」と「ネットワーク形PMCサービス:個人情報等と書き込んだICカードの位置登録情報を利用した追いかけ電話サービスやマルチメディア追いかけサービスなど」が提供されている。

◆ 《耐騒音超小型通話ユニット

VI&P総合実験で展開しているサービス。70ホン以上の騒音の大きい通話環境でも明瞭な通話が可能となる通話ユニット。通常のマイクからの音声と,骨導音を外部騒音に応じて適応的に組み合わせる技術を用いる。工事現場や交通量が多い街道での通話に大きな威力を発揮する。

◆ 《ICカードによる追跡電話サービス》

VI&P総合実験で展開しているサービス。ICカードに記録された個人識別情報を,ネットワークが無線または利用者のICカード挿入により検出し,利用者の所在位置を確認・管理するサービス。構内型インテリジェントネットワーク装置(ASCE)が,常に管理している所在位置情報を利用して,自席にかかってきたその人宛の電話を,その人が現在どこにいるかを判定し,最寄りの電話機に着信する。そのため他人を煩わせることなく,どこにいても自分宛の電話をとることができる。

◆ 《ICカード付PHS電話機》

VI&P総合実験で展開しているサービス。ICカード技術をPHSに適用した電話機。イベント会場等にある貸出用PHS電話機に利用者が自分のICカードを差し込むことにより,個人対応のきめ細かな発着信サービスが可能になるとともに,個人対応の課金処理も容易に行える。将来汎用のパソコンなどにICカードなどを読み込ませることにより,どこにいても主勤務地の自席同様のマルチメディア環境(電話,電子メール,他OA機能)が構築でき,その場所が即オフィス環境にできることを狙った第一歩として実施している。

◆ 《マルチメディア追いかけサービス》

VI&P総合実験で展開しているサービス。無線ICカードの位置情報を利用して,1つのLANをあたかも複数のLANで構成されているかのように見せるバーチャルLANの実験。無線ICカードを持った見学者が,コーナごとの展示物に近づくと,ネットワークが見学者の位置情報を検出し,見学者の傍に設置された説明用ワークステーション(WS)と離れた場所にいる各々の専門家のWSを接続する。そのため見学者は見学用WSを通じて,各展示物の専門家から詳細な説明を受けることができる。

◆ 《ディジタルスチル写真伝送サービス》

VI&P総合実験で展開しているサービス。電子スチルカメラで撮った写真を,無線アクセスでパソコンまたはプリンタに出力する。報道写真の速報や保険査定業務等に今後期待がもてるサービス。