用語説明

コージェネレーション(熱電併給)システム(CGS)

発電による電力だけでなく,それに伴って発生する熱エネルギーも活用するシステム。排熱を利用して給湯や冷暖房に使う。電力と熱を同時に供給するので熱電併給の名前がついている。

電力会社の発電所で燃やす石油や天然ガス等の燃料のうち,実際に電力に変換されているのは30~40%程度である。残りは排熱として捨てられている。しかし,排熱を有効に活用できればエネルギー効率は80%前後まで高めることができる。コージェネレーションはすでに,一部のホテルや病院等で利用されている。現在使われているコージェネレーションの動力源は,ガス・エンジン,ディーゼル・エンジン,ガス・タービンの3種類。エンジンやタービンを回転させて,発電機を回すとともに排熱を回収する仕組みを設けている。ガス・タービンは大出力用,ガス・エンジン等は中小出力に使われている。

一方,万能に見えるコージェネレーションにも弱みはある。窒素酸化物(NOx)を多く排出することである。特に最近は,首都圏や近畿圈の自治体がNOx規制を強化しているので,コージェネレーション用のエンジンメーカはNOx排出量の削減を迫られている。コージェネレーション・ビジネスでは都市ガス会社が先行しているが,電力会社も燃料電池が実用化でき次第,コージェネレーション・ビジネスに参入する方針で開発を急いでいる。

◆ 《1次エネルギー》

電力等の2次エネルギーをつくるために必要な化石燃料等が有するエネルギー。

◆ 《スチームボイラ》

燃料を燃焼させて蒸気を発生する装置。

◆ 《排熱回収交換器》

ボイラやエンジン等からの排熱を空気や水等を用い回収する熱交換器。

◆ 《ボイラ・温水発生器》

燃料を燃焼させて温水を発生する機器。