用語説明

走査トンネル顕微鏡(STM)

Scanning Tunneling Microscope

光や放射波をレンズで像を結ばせる顕微鏡では,波長の半分より小さい物体はぼけてしまうというアッベの法則があるが,この分解能の壁を破るものといわれている。STMは,鋭く尖らせた金属針(プローブ)を1nm程度まで物質表面に近接させて電圧をかけたとき,電子が針(金属)-表面(半導体金属等)間の間隙を通り抜ける「トンネル現象」を基本原理としている。物質表面の凸凹が原子オーダで描ける高分解能は表面の観察だけでなく,原子・分子操作,微細パターン形成等の物質加工技術への応用が期待されている。