用語説明

フォールトトレラント(FT)

Fault Tolerant

24時間連続運転・サービス提供をするため,故障が発生しても,故障を直そうとするのではなく,故障箇所を放置したままでも機能を低下させることなく稼働するシステム。例えば,ケーブルや接続部に故障が発生した場合でも,故障を修理することにより中断されたサービスを回復するのではなく,故障した部分を放置したままで瞬時に各々のサービスを他のケーブルに迂回させ,サービスを停止させないようにするシステムのこと。

フォールトトレラントのためのCPU(中央演算処理装置)のハードウェア構成には,①3重化冗長構成型,②ホットスタンバイ型,がある。

① 3重化冗長構成型:3重化したCPUモジュールが同期して動作しており,その出力信号を多数決チェック機構で比較・監視している。多数決チェック機構でCPUモジュールの出力信号の不一致を検出すると,多数決により故障CPUモジュールを特定し,該当するCPUモジュールを切り離して残った2台のモジュールだけで運転を継続する。

② ホットスタンバイ型:2台のCPUモジュールのうち,一方のみが現用系として動作しており,他方のCPUモジュールは予備系として待機している。現用系CPUモジュールで故障が発生すると直ちに予備型CPUモジュールが現用系として動作を開始し,故障したCPUモジュールで行っていた処理を引き継いで実行する。

3重化冗長構成型,ホットスタンバイ型のいずれも故障したCPUモジュールの交換・修理はシステムの運転中に他の正常なCPUモジュールに影響を及ぼすことなく実施できる。磁気ディスク装置(DK)の故障に備えるものとし,2台のDKに同じ情報を書き込むミラードDK方式がある。