用語説明

ページャ

pager

一般の加入電話を利用して,無線基地局から特定の受信端末を呼び出す(無線呼出)システムのこと。無線を使ってトーン信号や簡単なデータを送ることで,相手から自分宛にメッセージが入ったことを知らせてくれる。通称「ポケットベル」,「ポケベル」等と呼ばれているが,これは日本においてサービスを開始した日本電信電話公社(現NTT)が付けた日本名。世界的には「page:ホテル等で名前を呼びながら人を捜すという意味」から「ページャ:pager」とかビービーと音を出して呼び出すことから「ビーパ:beeber」とも呼ばれている。現在では,音だけでなく種々のメッセージを送ることができるようになっている。代表的な通信方式としては,NTT方式のほか,欧州で広く使用されているPOCSAG方式などがある。

◆ 《双方向ページャ》

ページャ(ポケットベル)は単方向の簡易なメッセージ受信システムであるが,双方向ページャはページャ側からも電波を送信することにより,ある程度の情報を送れるようにするもの。また,この送信機能を利用してネットワーク側にページャを位置登録し,サービスエリア内のページャが存在するゾーンのみに対して信号を送信することにより周波数の繰り返し利用(自動車・携帯電話システムで行われているように,ある無線周波数を空間的にある程度離れた場所で再利用すること)を可能にし,加入者容量を増大することも考えられている。本サービスは,米国FCC(連邦通信委員会)が「高度ページング」,「応答確認メッセージ」,「双方向データ・メッセージング」,「音声ページング」等の狭帯域CPS(N-PCS:Narrowband Personal Communication Service)サービス用に900 MHz帯の電波を割り当てることを決定し,1994年7月に全米免許および地域免許の入札を行い,13社に免許を付与している。双方向ページャはこのN-PCSの有力なアプリケーションの一つである。