用語説明

量子コンピュータ

量子力学を計算に使用する新しいコンピュータ。

現在のコンピュータ(古典コンピュータ)が0,1にビットから構成されているのに対し,量子コンピュータは量子ビット*│0>,│1>から構成されている。

このような量子ビットの重ね合わせ状態を制御することにより,0と1の論理演算を「並列」に高速処理することができ,非常に多くの可能性の中から条件に当てはまるものを探し出すような種類のプログラムを高速に実行することができる。

実用的な量子コンピュータを実現するために必要な条件としては,①よく定義され規模拡大可能な量子ビット,②実用的な初期化プロセス,③十分に長いデコヒーレンス時間,④普遍的な基本量子ゲート操作,⑤量子ビットの状態測定,がある。

量子ビットの特徴は,量子力学の重ね合わせの原理により,│0>,│1>の任意の重ね合わせ,α│0>+β│1>(ただし│α│²+│β│²=1)が形成できる点である。

◆《Shorのアルゴリズム

Shorが1994年に考案した因数分解を解くための量子計算アルゴリズム。このアルゴリズムにより古典コンピュータでは難しいと考えられている非常に大きな数の因数分解を量子コンピュータでは高速に行うことが可能であることが数学的に証明された。これ以後,量子コンピュータの研究が活発化した。

◆《古典計算機》

ビットと呼ばれる0(OFF)と1(ON)という2つの状態を基本単位とし,論理回路を構成するディジタル計算機。