用語説明

ES(エキスパートシステム)

Expert System

ある特定領域の問題を解決するための専門知識や経験知識を計算機に蓄積し,その領域で発生する問題を解決する機能を実現したシステム。専門家の経験知識等を蓄えた知識ベース,知識ベースを用いて判断し結論を導く推論機能,利用者とこのシステムとのデータの授受を行うヒューマンインタフェースより構成される。保守や設計等の専門家が持っている知識,ノウハウをあらかじめコンピュータに格納し,これを利用して専門家と同等の問題解決をコンピュータに行わせるもので,NTTでは,クロスバ交換機診断,ビジネスホンの販売支援等でエキスパートシステムを使用している。

◆ 《EOS-ES(ESS Operations System-Expert System;交換機保守エキスパートシステム)》

専門家の知識を活用し,交換機の異常故障時に保守者へ緊急措置手順を表示するエキスパートシステム。

◆ 《KBMS(Knowledge Base Management System;エキスパートシステム構築用支援ツール)》

より短期間にESを開発するための支援ツールで,NTTの研究所で開発された。ESの開発の際に必要な知識処理機能,システム化のための共通機能,使いやすい開発環境を提供している。また,このシステムでは情報や知識(ルール)を階層的な表現手段であるフレームで記述することによって専門家の知識を表現している。KBMS/PCは,そのパソコン版。

◆ 《ESCORT(Expert System's Creative and Operative Development Textbook;ES開発ガイドライン)》

NTTにおけるES開発経験を基に,効率的なES開発ノウハウを洗い出し,具体的な開発作業方法として分かりやすくまとめたES開発作業標準。①実戦向きの記述,②ES利用形態別の開発方法記述,③開発者の役割に対応した記述,等の特徴を持っている。