用語説明

FEAL(高速データ暗号アルゴリズム)

Fast Data Encipherment Algorithm

NTTが1987年に開発した手順公開型の秘密鍵暗号アルゴリズム。ソフトウェアで高速の暗号処理を実現できる。FEALはデータ攪乱の関数を繰り返す構造となっていて,繰り返す段数Nによって,例えば8段FEALをFEAL-8というように,一般にN段のFEALをFEAL-Nという。64 bitのデータブロックを単位に暗号化/復号化し,鍵の長さはFEAL-NXが128 bit,FEAL-Nが64 bitである。FEALはDESと同じように,暗号化/復号化で同じ処理を行う。Nは基本変換の繰り返す段数を表し,例えば16段のFEAL-NはFEAL-16と呼ぶ。FEALは内部鍵の生成に代数演算を用いたり,暗号化操作にバイト演算を用いている。DESよりも高速な暗号化速度が得られることが特徴である。

◆ 《暗号認証ハードウェアモジュール

秘密鍵暗号方式による通信における暗号鍵の配送を容易に実現できるNTTが開発した「鍵配送付FEAL-LSI」。このLSIは,べき剰余演算,FEAL演算,乱数生成,およびH.233勧告に準拠した暗号ストリーム送出機能を1チップで実現している。秘密鍵暗号方式では,暗号通信に先立ち,通信したいもの同士で第三者に漏れないように同一の鍵を管理し,設定する必要があり,そのため通信相手を追加したり変更したりしたときの鍵の管理が煩わしいという問題があったため開発された。

◆ 《暗号基本モジュール

ディジタル情報を暗号化するためのFEAL基本モジュール群をいう。これらを組み込むことにより,通信情報等を暗号化することができる。FEALの処理段数Nを可変にしたFEAL-Nモジュール群と,鍵サイズを128 bitに拡張したFEAL-NXモジュール群がある。

◆ 《暗号応用プログラム》

FEAL暗号を応用したプログラム。FEAL-FD:UNIXファイル(WS版),MS-DOSファイル(PC版)のファイルデータをFEALで暗号化したもの。記憶媒体上の機密情報を保護することができる。

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