用語説明

FTTH金沢トライアル

Fiber To The Home

NTT,NTT西日本,松下電器産業(株),松下通信工業(株),北陸松下ライフエレクトロニクス(株)の5社が,光ネットワークと情報家電を利用した地域情報流通ビジネスの実証実験として,2000年5月18日から2001年6月30日までの約1年間,石川県金沢市で行われた共同トライアル。本トライアルは,パソコンおよびISDNの普及率が全国的にトップレベルである金沢市で,情報流通の4つの階層の機能を組み合わせ,地域情報流通ビジネスの可能性を探ることを主な目的としている。

本トライアルでは,41の光回線(SOHO : 27回線,集合住宅:5回線,PR用:2回線,公共機関:2回線,実験用拠点:5回線)を用いて約120のエンドユーザが,NTT西日本でサービスしている高速・大容量の光ネットワークサービスワイドLANサービス」(最大10Mbit/s)を利用して参加した(図)。ワイドLANサービスに接続されたトライアル参加者は,NTTグループと松下グループが共同で準備した定点カメラサービス,バス運行状況サービス,商店街広告サービス,また自治体や地域放送局等から提供した各種コンテンツ閲覧等の多彩な地域情報流通サービスを自由に利用できるとともに,中高速インターネットアクセスも可能である。さらにトライアル参加者は最大10Mbit/sという高いトラヒック疎通能力を生かした大容量コンテンツの発信ができる。

なお,本トライアルでは,情報流通の4階層を網羅しながら,地域情報流通ビジネスの可能性を検証した。

主な検証内容は以下のとおり。

① コンテンツ・アプリケーション層:コンテンツに対するユーザニーズやビジネスモデルの検証

② 情報流通プラットフォーム層:課金に対する要求機能の検証

③ 通信ネットワーク層:異なるトラヒック条件下でのアクセス速度の検証

④ 端末・ソフトウェア層:ホームゲートウェイの機能や性能の検証

◆《ブック形式》

HGW(Home Gate Way)上で動作するCyberBookを開発し,実装している。本トライアルで流通するコンテンツの多くは,このCyberBook形式のデータで提供され,利用者はさまざまなコンテンツを本と同一のメタファで情報を得ることができる。

ワイドLANサービスFTTH(改訂版p.148参照)

図_FTTH金沢トライアルの構成