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6月号 2023 Vol. 21 No. 6

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■ 概要
2022年、組織の再編成を実施した新ドコモグループ。グループの機能統合と事業責任の明確化を行い、お客さまへの提供価値の向上とさらなる成長をめざしています。組織の再編成を通じて、社会・産業の構造変革と新たなライフスタイル創出により、「あなたと世界を変えていく。」の実現をめざす新ドコモグループの法人セグメントを担う梶村啓吾NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長に再編成後、注力している取り組みとトップとしての信条を伺いました。

Front-line Researchers

■ 概要
映像データの流通拡大やクラウド技術の進展、5G(第5世代移動通信システム)サービスなど新しい情報通信サービスやリモートワークの急速な普及に伴い、情報通信トラフィックが増大し、今後もその傾向がさらに強くなってくることが予想されます。今後のさまざまなデータトラフィック需要にこたえるためのIOWNオールフォトニクス・ネットワークの実現には、通信容量の飛躍的な拡大とともに、抜本的な低電力化・低遅延化が求められています。新たな「ねっと」の価値を先進の通信技術で切り拓くNTT未来ねっと研究所 宮本裕フェローに研究の進捗と研究活動の醍醐味を伺いました。

Rising Researchers

■ 概要
NTTが掲げるIOWN構想の柱の1つである、デジタル上に現実世界を構築するデジタルツインコンピューティングでは、ヒト・モノからセンサで取得されるデータを利活用することが不可欠です。しかしセンシング技術の発達によって「データの次元数が増加し、それに伴い処理時間が長くなることで、現実的な時間内でデータを分析・活用することが難しくなる」という課題が発生しています。今回はこのような課題を解決する「高速スパースモデリング技術」について、井田安俊特別研究員にお話を聞きました。

Feature Articles: Toward Quantum Technology Innovation

■ 概要
NTT研究所では、量子コンピュータ研究がさかんとなる前の、1980年代半ばから量子情報をはじめさまざまな量子関連技術の基礎研究に取り組んできています。本特集では、最新の量子技術をめぐる世界動向とNTTにおける量子技術研究のポートフォリオを紹介します。なお、量子コンピューティングのみならず、量子センシングや量子ネットワークについても、実験、理論の両面から幅広く解説します。
■ 概要
従来のコンピューティング技術では計算困難な問題を計算できるコンピューティング技術として量子コンピュータへの期待が高まっています。光量子情報処理技術は光子の特性を反映して常温で高速な操作が可能で、「量子もつれ」と呼ばれる量子状態を大規模に実現できるため、大規模汎用量子コンピュータを実現する技術として期待されています。本稿では、NTTがめざしている光ファイバ通信技術を基にした光量子コンピュータへの取り組みと量子光源などの光技術の動向を紹介します。
■ 概要
超伝導量子回路研究は、古くは超伝導量子干渉計による磁場センサ応用、最近では超伝導量子ビットによる量子コンピュータ開発など、幅広く展開されています。本稿では、近年発展の著しい超伝導量子回路の量子センシングへの応用例として、高感度・高空間分解能な電子スピン共鳴測定装置と極低温で動作する微小な高感度温度計を紹介します。さらに、量子計算への応用として、共振器中の多自由度を活かして量子誤り訂正を実施するボソニック量子ビットの研究を紹介します。
■ 概要
光格子時計は、セシウム原子時計を桁違いに上回る驚異的な周波数精度を実現しており、地表のわずか1 cm程度の高度差に相当する重力ポテンシャルの量子センシングを可能とします。複数の光格子時計を光ファイバで相互接続する光格子時計ネットワークは、精度1 cmレベルの水準点や地殻変動の日常監視など、新たなインフラストラクチャへの展開が期待されています。本稿では、光格子時計ネットワークの要素技術を紹介し、首都圏エリアにおいて構築した超高精度光周波数基準伝送ファイバリンクと、その伝送精度評価実験について紹介します。
■ 概要
量子コンピュータは、既存の計算原理に基づく計算機の延長線上では得られない超高速な計算を実現し、情報処理に革命を起こすと期待されています。このためには、量子ハードウェアとともに、その能力を引き出すための量子アルゴリズムが不可欠です。本稿では、量子アルゴリズムとそれを支える量子回路最適化技術、および、その実行の信頼性を高めるための検証技術に関する最近の成果について紹介します。
■ 概要
暗号技術は通信ネットワークを安全に使うために必要不可欠です。量子鍵配送(QKD)という量子力学の性質を利用した手法を用いると、究極的に安全な暗号通信を実現できます。NTTではQKDによる安全なネットワーク実現に向けて、安全性解析などの理論から光の量子状態制御実験など、幅広い領域で研究を進めています。本稿では、最新の取り組みである多値情報を用いたQKD(高次元QKD)と、そのエラー耐性向上技術について紹介します。
■ 概要
量子インターネットは地球上の任意のクライアント間での量子通信を可能にするだけでなく、量子計算や量子計測、さらには量子多体系のシミュレーションまでをも包含するパラダイムで、その構築は分野の長期的課題であり、究極的挑戦といえます。本稿では、量子インターネットとは何か、実現には何が必要か、また最近の分野での取り組みについて解説します。

Regular Articles

■ 概要
藻類が生産する油脂は、液体バイオ燃料の原料となるため、その量を向上させることは、地球温暖化ガス排出削減など、環境負荷低減に貢献すると考えられます。本稿では、油脂蓄積にかかわる転写因子を特定し、その機能強化によって、油脂の蓄積量を向上させた例を紹介します。

Global Standardization Activities

■ 概要
通信サービスを適切な品質で提供するために、ネットワークおよびサービスの設計・管理は極めて重要であり、そのためには、定量的に測定・評価する技術が必要となります。ITU-T(International Telecommunication Union - Telecommunication Standardization Sector)SG(Study Group)12では、ユーザがサービスに対し、体感する品質(QoE: Quality of Experience)とその目標値を達成するために要求されるネットワーク品質(QoS: Quality of Service)の評価法、測定法、規定値等に関する研究を行っています。ここでは、音声・映像メディアの品質評価・管理技術に関する最新の標準化動向を中心に紹介します。

Practical Field Information about Telecommunication Technologies

■ 概要
通信技術の基礎知識をテーマとするシリーズ第76弾となる本稿では、沿岸部に設置された支線やマンホールの腐食による設備の故障事例とともに設備を塩害から守るための対策事例について紹介します。

External Awards
外部での受賞

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