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9月号 2025 Vol. 23 No. 9

Front-line Researchers

■ 概要
人と人のコミュニケーションにおいて、共通の話題・前提条件・認識等の「共通基盤」が一致しているときにお互いに理解し合えてコミュニケーションが成立します。共通基盤を構築することができれば、コンピュータと人のコミュニケーションもより円滑になります。共通基盤の概念は古くからありましたが、人の認知と深く関連することもあり、いまだに解明されていないことも多々あります。それを1つひとつ解明していくことで、共通基盤構築のプロセスを実現することが可能となります。こうした共通基盤を、生成AI(人工知能)等を活用して解明し、コンピュータと人のコミュニケーション実現に挑む、NTT人間情報研究所 東中竜一郎客員上席特別研究員に、古くて新しい課題に取り組む姿勢と「失敗ではなく成功しなかっただけ」という考え方を伺いました。

Rising Researchers

■ 概要
5G(第5世代移動通信システム)から6G(第6世代移動通信システム)への発展、AI(人工知能)、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)などのさまざまなサービスの普及に伴い、2030年代には無線通信システムのさらなる大容量化が必要となります。こうした将来の無線通信量の爆発的な増加需要に備え、NTTが独自に研究、開発しているのが、「OAM(Orbital Angular Momentum)多重伝送技術」と「MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)技術」を融合させて、従来を凌駕する無線通信システムの大容量化を実現する「OAM−MIMO多重伝送」です。今回はこのテラビット級無線伝送を可能にする「OAM−MIMO多重伝送技術」のトップランナーである笹木裕文特別研究員にお話を伺いました。

Feature Articles: Keynote Speeches and R&D on Access Networks Presented at Tsukuba Forum 2025

■ 概要
NTT アクセスサービスシステム研究所は、線路、土木、伝送、無線、オペレーションの5つの分野でアクセスネットワークに関する研究開発を行っています。新たな価値創造とグローバルサステナビリティの実現に向け IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)/6G(第6世代移動通信システム)の具現化を加速するサービスの多様化、運用のスマート化、新ビジネス領域の開拓に資する研究開発を推進しています。本稿ではこれらの最新技術を紹介します。
■ 概要
IOWN構想の発表から5年、オールフォトニクス・ネットワーク(APN)は商用化され、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)光コンピューティングは大阪・関西万博において公開されるまでになりました。本稿では、これまでの進捗を振り返るとともに、次なる展開に向けた新たな価値創出や技術の進化について紹介します。なお、本記事は、2025年5月15〜16日に開催された「つくばフォーラム2025」における、元NTT代表取締役副社長(現NTTチーフエグゼクティブフェロー)川添雄彦の基調講演を基に構成しています。
■ 概要
NTTアクセスサービスシステム研究所(AS研)では、ネットワークをはじめとしたオペレーションに関する将来技術の研究開発を推進しています。本稿では、ネットワークのロバスト化に向けて、人の手を介さずに正確で迅速なネットワーク管理を実現するゼロタッチオペレーションや、業務の自動化領域を拡張する技術、人の作業を支援することでスキルレス化や安全性を向上する技術についての研究開発の取り組みを紹介します。
■ 概要
NTTアクセスサービスシステム研究所では、維持管理効率化、レジリエンス向上、環境負荷低減といった社会インフラ事業を取り巻く課題の解決と持続可能な社会の実現に向けて研究開発に取り組んでいます。インフラ分野において、AI(人工知能)活用を進めるとともに、設備や情報のシェアリングの概念も取り入れ、維持管理のあり方そのものを変革する技術の創出をめざしています。本稿では、AIとシェアリングという2つの軸にかかわる技術を紹介します。
■ 概要
NTTアクセスサービスシステム研究所では、アクセス系業務のデジタルトランスフォーメーションによる運用イノベーションをめざし、スマートエンジニアリング(設計・施工)やスマートメンテナンス(保守・運用)技術を研究開発しています。また、通信設備のアセット活用により、通信以外の分野も含めた新たな価値創造にもチャレンジしています。これら通信インフラで培った技術を電気・ガス・水道といった他インフラへも展開し、日本全体の社会インフラの維持管理に向けた貢献、社会課題の解決も視野に入れています。

Regular Articles

■ 概要
本稿では、画像生成モデルの振る舞いに関する近年の研究を紹介します。Conditional Diffusion Model をはじめとする拡散モデルは、テキスト入力に基づく画像生成タスクにおいて顕著な性能を示しています。これらのモデルは、学習データに含まれない構成を、既知の概念の組み合わせによって創出する、ある種の“創造的能力”を備えていると考えられます。本研究ではこの能力をCompositional Abilityと定義し、その発現メカニズムの解明を試みました。具体的には、IQ(知能指数)テストに着想を得た、解釈性の高い人工タスクを設計し、拡散モデルのCompositional Abilityを体系的に評価しました。検証を通して、①モデルが学習データの構造に沿って、既知の概念から学習データに含まれない未知の概念へと順を追って般化すること、②学習のある段階でこの能力が突発的に“創発(emergence)”することを明らかにしました。
■ 概要
NTT ネットワークイノベーションセンタは5G(第5世代移動通信システム)、6G(第6世代移動通信システム)需要や社会のIoT(Internet of Things)化進展に向けて光ファイバ網のさらなるカバレッジ拡大に取り組んでおり、電柱や管路に依存しない簡易敷設光ケーブル技術を開発しました。この技術では、これまで光ケーブル敷設をする際に必要とされていた電柱や管路等の基盤設備を必要とせず、道路掘削等の大規模工事をすることなく光ケーブルを敷設することが可能となりました。ここではアスファルト舗装面に形成した溝へ光ケーブルを敷設することで路面配線を実現した簡易敷設光ケーブル技術の概要と特徴について紹介します。

Global Standardization Activities

■ 概要
2025年4月21〜25日に第37回ASTAP(Asia-Pacific Telecommunity Standardization Program)会合が、タイのバンコクにて、対面形式で開催されました(インダストリー・ワークショップ、ならびにオープニングおよびクロージングプレナリのみハイブリッド形式で開催)。19カ国から137名が参加し(うち35名がオンライン参加)、標準化会議に加え、産業界の動向に関するインダストリー・ワークショップが行われ、各国の取り組みが紹介されました。ここではASTAP37の開催概要について報告します。

External Awards
外部での受賞

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