予測平均申告と訳される。空気温度，湿度，気流，放射，人体の着衣量，活動量の６要素を考慮した人間の感覚を基礎とした指標である。これは，デンマーク工科大学のP.O. Fangerによって提唱されたもので，多数の人の温冷感に関するアンケート結果と人体の熱平衡式（図）から統計的に求めたもので，最近では家電用エアコンの制御などにも使用されている。PMVは±３の間の数値で示される指標で，プラス方向が暑い，マイナス方向が寒い，０がどちらでもない，を示す。実験では，温度，湿度，気流速を計測により求め，放射温度は各壁面温度から算出し，着衣量は1.0clo，活動量は1.2met（薄手のスーツを着て事務作業を行っている程度）と仮定して計算により求めた。なお，cloは着衣の量を表す単位で，１cloは，下着，長袖シャツ，ズボン，長袖ジャケットまたはセータ，厚手の靴下と靴を身に付けた場合に相当する。また，metは活動の量を表す単位で，１metは，着席してリラックスしている状態に相当する。どちらも人間が発生する熱にかかわる指標である。