用語説明

SC形光コネクタ

Single fiber Coupling optical fiber connector

NTTが開発したプッシュプル構造の構内配線用光コネクタ。低損失で高密度実装ができ,プラグを押し込むだけでロックされ,引っ張れば簡単に外れるプッシュプル構造が特徴である。各国で様々なタイプの光コネクタが開発されているため,ユーザが使用する際に混乱がみられることから,IECを中心に統一作業が進められてきたが,1992年6月にSC形が推奨形光コネクタとして採用された。この採択により世界の光コネクタ市場はSC形に大きく流れるものとみられる(図)。

センタビル内では,外部からの光ケーブルを引き込み,ビル内の光ケーブルと接続するところに光配線盤が使われ,数多くの光コネクタが集中して実装される。また,光加入者システムとしてお客さま宅に光ファイバを引き込んだ場合,各加入者端末との接続用に光コネクタが必要である。これらの用途ではいずれも各光ファイバ心線ごとの接続切替が可能でなくてはならない。また,作業中に現用回線のケーブルに触れる可能性が高いことから,光ケーブルの引っ張り等の外力に対して十分な耐性が必要となる。さらに高密度に実装できること,操作性が良いこと,および安価であることが要求される。SC形光コネクタはこのような適用領域および要求条件に基づいて開発された。

主な特徴は以下のとおり。

① ジルコニアフェルールやプラスチックハウジングの採用による低コスト構造。

② 高密度実装に適し,操作性の良いプッシュプル結合構造。

③ 基幹回線に適用できる高性能,高信頼性。

図_SC形光コネクタの構造