用語説明

結晶化ガラスフェルール

FTTH(Fiber To The Home)に向けた光コネクタの低コスト化のために,そのキーパーツであるフェルールに,従来のジルコニアに代わる安価な結晶化ガラスを使用したフェルール。

結晶化ガラスは,デビトロセラミックスとも呼ばれる。普通の陶磁器は原料粉末粒子を成形,焼成してつくるが,結晶化ガラスでは原料のすべてを一度完全に溶融し均一な融液とした後,普通のガラス器物をつくるのと同様に任意のガラス形状をつくる。その後,この形を保持しながら徐々に再加熱してガラスを微細な結晶の集合体に変化させてつくるセラミックスのことをいう。

結晶化ガラスフェルールの最大の特徴は光ファイバと同様に線引き加工で作製するので大量生産に適しており,現在のジルコニアフェルールの1/3の価格実現の見通しが得られている。また,ガラスの性質も持っているので石英ガラス製の光ファイバと物性が類似しており,PC研磨等のアセンブリコストの低減も可能である。さらに,信頼性の面では85℃85%の高温高湿の条件下で2,000時間放置しても特に問題もなく,また雨水を想定した45℃の温水に1週間浸水しても特に変化が生じないなど,屋外環境下で使用されるONU等の光コネクタフェルールとして最適である。