用語説明

ダイヤ半導体

ダイヤにホウ素やリン等の元素を少量混入させてつくった半導体である。ダイヤは純粋炭素の単結晶体のため,通常は電気を通さない絶縁体であるが,ホウ素等を混ぜるとP形半導体の性質を帯びることから開発された。ダイヤ半導体の特徴は,耐熱性が高いことである。現在,一般的に利用されているシリコン半導体は摂氏百数十度,化合物半導体の中心であるガリウムヒ素半導体は200度前後が利用できる上限であるが,ダイヤ半導体の場合,500~600度の環境下まで利用に耐える。これは,ダイヤが高熱に対しても化学的安定性があり,耐放射線性,熱放散性等に富んでいることによる。このためダイヤ半導体は宇宙空間等,条件の過酷なもとでも十分利用できる。半導体に使用するダイヤは,メタンガスや一酸化炭素等の炭素ガスを原料にして,この気体を薄膜状に形成する気相法でつくる。大手半導体メーカはいずれも将来のマーケット拡大を見込んで開発に力を入れている。