用語説明

チャネル

ユーザ・網インタフェース上およびネットワーク内において,情報を伝送するための入れ物の単位をチャネルという。チャネルには幾つかの種類があり,ユーザ情報で運ぶものを情報チャネルと呼ぶ。

◆ 《Bチャネル》

情報チャネルには,通信速度の面から区分してBチャネルとHチャネルがある。Bチャネルはユーザ情報を送受する64 kbit/sの情報チャネルのこと。通信速度を持ち,回線交換による通信,パケット交換による通信のどちらにも用いることができる。ISDNはBチャネルを2つ持っており,それを2つ同時に使う。

◆ 《Dチャネル》

ISDN用の信号チャネル。ISDNのユーザ・網インタフェースの伝送の各方向に対し,本来ユーザ情報用チャネル(B,H0,H1)を制御するための回線制御用シグナリング情報を伝送するチャネルとして用いられる。またパケット情報の伝送も可能である。インタフェースの速度は,基本ユーザ・網インタフェースで16 kbit/s,1次群ユーザ・網インタフェースで64 kbit/sを提供する。

INSネット64では2つのB(情報チャネル)と1つのD(信号チャネル)を持つことから,2B+Dの通信が可能というように用いられる。INSネット1500では23B+D。

Dチャネルを利用した通信の方法として,Dチャネルを16 kbit/sのパケット通信として利用する方法とDチャネルの中のユーザに割り当てられたUUI(User to User Information)を用いて情報を送受するユーザ間情報通知サービスを利用する方法がある。

◆ 《Hチャネル》

高速・広帯域サービスに用いられる情報チャネルで,H0:384 kbit/s,H1:1.5 Mbit/sの通信速度を提供している。ユーザ・網インタフェースの伝送の各方向に対しユーザ情報用チャネルとして用いられ,以下の速度を提供する。

H0チャネル:384 kbit/s

H1チャネル:1,536 kbit/s

ユーザ情報信号サービスの具体例は以下のとおり。

①高速ファクシミリ,②映像(テレビ会議),③高速データ,④高品質オーディオあるいはサウンドプログラム,⑤Hチャネルのビットレートより低い情報信号(例えば,64 kbit/s音声)をHチャネルに速度調整あるいは多重化したもの,⑥パケット交換情報。

◆ 《H0チャネル,H1チャネル》

INSネット1500の高速通信モードにより提供されるBチャネルの大束利用形態。H0チャネルはBチャネルを6本(384 kbit/s),H1チャネルはBチャネルを24本(1.5 Mbit/s)を1つにまとめて利用するものである。

◆ 《H4チャネル》

ITU-Tにおいて,高速・広帯域サービスに用いられる情報チャネルを“Hチャネル”と呼称することが勧告されている。現在,規定されているHチャネルの系列のうち,最も高速なものがH4であり,その速度は約140 Mbit/sである。