用語説明

フレームリレープロトコル

ISDNやパケット同様,フレームリレーを実現するには,ネットワークを構成する交換機と,ユーザが設置する端末機器とがフレームリレー固有の通信手順を守る必要がある。このため,フレームリレー通信手順の標準化がITU(国際電気通信連合)で進められ,これと並行して日本国内でもTTC(電信電話技術委員会)で標準化作業が進められている。

◆ 《ECN(Explicit Congestion Notification;網輻輳の通知)》

フレームリレーでは,ユーザのデータ転送を強制的に停止させる通信手順がないため,網が輻輳状態になった際に,端末から網へのデータ転送量低減をユーザに委ねるため,輻輳ポイントを通過するフレームに設定される表示。回復すると表示を消す。端末は網から輻輳情報を受信すると,データ転送速度をCIR(Committed Information Rate)以下に低減し,輻輳回復により段階的に転送速度を上げる措置をする必要がある。

◆ 《DE(Discard Eligibility Indicator;廃棄可能表示)》

フレームリレーサービスにおいて,網が輻輳時に,網への流入トラヒックを抑制するため,他より優先して廃棄されるべきフレームであることを明示するビット。ユーザまたは網によって設定される。

◆ 《FECN(Forward Explicit Congestion Notification;順方向明示的輻輳通知)》

フレームリレーにおいて,ユーザに対して,輻輳回避のための措置が必要であることを網側から知らせるためのアドレス部にあるビット。輻輳しているトラヒックの方向のフレームに「1」が設定される。

◆ 《BECN(Backward Explicit Congestion Notification;逆方向明示的輻輳通知)》

フレームリレーにおいて,ユーザに対して輻輳回避のための措置が必要であることを網側から知らせるためのアドレス部にあるビット。輻輳しているトラヒックの逆方向のフレームに「1」が設定される。

◆ 《CLLMメッセージ(Consolidated Link Layer Management Message;統合リンクマネジメントメッセージ)》

フレームリレーにおいて,ユーザに対して,輻輳状態および故障状態を通知するため網が自律的に生成し送出するフレームのこと。輻輳しているトラヒックの逆方向にフレームが流れていない場合にフレームリレー端末に輻輳を通知する有効な手段となる。また,網がユーザに故障内容,原因を知らせるので,故障箇所の切り分けが可能となる。

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