用語説明

リモート電子顕微鏡

NTTは,電子顕微鏡技術とISDN技術を融合させて,電子顕微鏡を設置している場所から遠く離れた所で誰でも「ミクロの世界」を観察できるシステムを構築した。「リモート電子顕微鏡」は,このシステムに試料移動等の操作機能を付加して開発された。

本システムは光学顕微鏡と同等の操作性で数万倍までの観察を実現している。これによって,遠方にいる人自身が見たい場所や観察倍率を変えたりすることが可能になった。

電子顕微鏡の機能は一般的には,拡大像の観察(リモート観察),試料位置の操作(リモート操作),観察像の記録(リモート写真),の3つに大別される。

(1) リモート観察

実現には公衆回線(ISDN)とテレビ電話が不可欠である。映像符号方式等の標準化によって,テレビ電話であれば世界中のどんな機種でも接続できる。モノクロ信号である電子顕微鏡画像情報は一般のカラー信号に比較して情報量が少なく,より短時間で伝送できるという特徴がある。

(2) リモート操作

一般回線とパソコンとリモートアクセスソフト(市販品)で可能となる。テレビ電話は映像(画像)を送るのでISDN回線を利用しなければならない。リモート操作は普通の電話(一般回線)の容量で十分。直接現地を結ぶ専用有線ではなく,公衆回線なので,どこからでも接続できるのが利点。

(3) リモート写真

パソコンとプリンタが必要となる。転送写真の画質を良質にすればするほど伝送時間は長くなる。