用語説明

ISDN(ディジタル総合サービス網)

Integrated Services Digital Network

ITU-T(ITU電気通信標準化部門)で定義された,ディジタル技術でつくられた物理的な通信網。ディジタル化された伝送路,交換機など通信設備の共有化を図り,音声,画像,データなど多種類の通信サービスを一元的に提供する。NTTでは,1988年4月からISDNサービスとしてINSネット64,1500サービスを開始。

◆ 《ISUP(ISDN User Part;ISDNユーザ部)》

ISDNに適合したNo.7共通線信号方式による局間中継回線をいう。ISUP回線を用いることにより,回線の接続に直接必要な情報以外に,発信端末番号等の様々な付加情報を送受することが可能となる。ISDNでは,信号方式として,端末と網の間はディジタル加入者線信号方式(Iインタフェース),網内のノード(例:交換機,NSP等)間はNo.7信号方式を適用している。ISUPはISDNを契機に開発されたが,従来のアナログ網に必要な機能も包含しており,かつ拡張性も十分に考慮されていることから,NTTとしては,No.7信号方式を適用する回線に対しては,アナログ呼にもISUPを利用している。これにより,アナログサービスの高度化(例えば,ダイヤルQ²)も可能となった。

◆ 《SSCF(Service Specific Coordination Function;サービス依存部コーディネーション機能)》

B-ISDN信号方式において,SSCOPサービスプリミティブをAALサービスプリミティブ(例:LAPDまたはMTP2相当プリミティブ)に変換する機能をいう。

◆ 《SSCOP(Service Specific Oriented Protocol;サービス依存部コネクション型プロトコル)》

サービス依存部コンバージェンスサブレイヤのうち,エラー制御,フロー制御等の機能を提供する,サービス依存コネクション型プロトコル。B-ISDN信号方式において,応答確認要求(POLL)と状態通知(STAT)と呼ばれる制御フレームによって番号制応答確認と選択再送機能を実現する。信号およびコネクション型データ転送に使用する。

◆ 《ISDN回線を用いた広域時刻伝送技術》

サーバ/クライアント間の時刻同期を行う際に,ISDN回線交換でサーバとクライアントを接続する。ハードウェアを用いた同期誤差検出により,サーバとクライアント間の時刻誤差を300μs程度に抑えることができる。また,周波数の基準をISDN回線から取得するため,回線交換切断後も自走誤差が年差30μsという高い精度が得られる。