用語説明

MPEG

Moving Picture Experts Group

ISO(国際標準化機構)IEC(国際電気標準会議)で標準化が行われた映像の高能率符号化方式。ディジタル蓄積メディア用画像および音声の符号化方式の標準化作業をM体系的(MPEG-1MPEG-7)に行っている。カラー動画像のディジタル符号/復号方式であり,符号化速度や映像品質等が異なる場合にも適用できるように,映像の解像度等がパラメータ化され自由に選択できるようになっている。他の符号化方式でも用いられている離散コサイン変換(DCT)や動き補償フレーム間予測技術が用いられており,特に両方向予測が大きな特徴となっている。

MPEG-1はVHSビデオ相当。

MPEG-2HDTVやレーザディスク相当の品質。3~40 Mbit/sの符号化速度で,テレビ信号に用いられるインタレース信号を含めて,テレビ映像等,HDTVを含めた高品質の符号化映像を対象としている。

MPEG-4は5 kbit/s~4 Mbit/s程度までのビデオと音声を対象に符号化を行っている。MPEG-4はテレビ電話,テレビ会議等のリアルタイム双方向通信,遠隔協調作業,放送,Web,データベース検索インターネットストリーミングビデオ等への応用も期待されている。

◆ 《Iピクチャ(Inter Picture)》

Iピクチャは,テレビの1フレームの画面を圧縮したもの。MPEGは,符号化するとき,テレビの30フレーム(1秒当り)をすべて,まずIピクチャに置き換える。5つのフレームがあると,最初と最後のIピクチャはそのまま伝送し,間に挟まれるIピクチャは,真ん中のものをPピクチャに,2番目と4番目のものをBピクチャに変換する。PピクチャのPは2つのピクチャの時間方向に予測することから単純に予測(P)ピクチャといい,BピクチャのBはこれとPピクチャの両方を用いて時間的に前後から予測するため双方向予測(B)ピクチャという。変換の方法は,動き補償予測といって,2つのピクチャの差分から2つのピクチャの間の画を予測生成し,現画との差分をとって符号化する方式をとる。

図_MPEGの適用領域