用語説明

E2

新しい共通鍵暗号アルゴリズム。国産の商用暗号としては初めて128 bitのブロック長を採用したブロック暗号方式暗号アルゴリズムで,安全かつ高速な処理を実現している。E2は,「差分解読法」や「線形解読法」といった強力な暗号解読法に対して,十分な安全性を有していることを確認し,また鍵長は128・192・256 bitに対応,さらに様々なプラットフォーム上で利用できるなど,次世代の暗号技術の条件を満たしている。

E2の特徴は以下のとおり。

① 差分解読法や線形解読法に対する安全性評価指標に基づき,入力されたデータを変換する部分にあたるラウンド関数1つの安全性から暗号全体の安全性を評価した。

② E2のラウンド関数は,Sボックスで一度置き換えられたデータを変換層で変換し,さらにもう一度Sボックスを用いてデータを置換することで差分解読法や線形解読法等に対するラウンド関数自体の安全性をより高め,繰り返し処理の回数を削減する。

③ 暗号化処理をコンピュータ処理の基本単位である8bitで構成可能なように設計している。

④ ブロック長が128 bit,鍵長は128・192・256 bitに対応できる設計となっている。

◆ 《ブロック長》

暗号化を行うデータのまとまりの長さ。DES暗号のブロック長は64 bitであるが,NISTでは安全性を高めるために次期米国標準暗号はブロック長を128 bitと規定している。

◆ 《鍵長》

利用できる鍵パターンの数を定めるもので,例えばDESでは,鍵長が実質56 bitなので2の56乗個の異なる鍵が利用できる。鍵長を長くすることによって,全数探索法に対する安全性を高めることができる。

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