用語説明

スマートアンテナ

ディジタル信号処理技術を用いて,アンテナの指向性を環境に応じて変化させることが可能なアンテナ。ワイヤレスアクセスシステムにおけるチャネル容量の増大,伝送品質の改善,伝送速度の高速化を実現するキー技術の1つ。状況に応じて干渉波やマルチパス波を受信しないように,所望の電波の方向にビームを向ける放射特性をつくり出すことができる。

スマートアンテナは,複数の放射素子からなる放射部,各放射素子に接続される受信部,および指向性制御部から構成される(図)。スマートアンテナの各放射素子で受信された信号は,まず受信部でベースバンド信号に変換され,さらにディジタル信号に変換されて指向性制御部に入力される。指向性制御部に入力された信号は,ディジタル信号処理により振幅と位相の重み付けがなされ合成される。この合成により,遅延波や干渉波を抑圧できる指向性を生成し,所望の信号を際立たせた信号を出力することができる。

図_スマートアンテナ受信機の基本構成