用語説明

非線形光学効果

光を物質に照射した場合に起こる様々な現象の中で,入射電界の大きさに比例しない(線形でない)ような現象の総称。物質の分極Pは,光電場Eに比例する線形性を示すが,Eが大きくなると高次の効果が生じる。E2,E3による効果をそれぞれ2次,3次の光非線形と称する。入射光の2倍の高調波(波長が1/2)を発生するSHG(Second Harmonic Generation)や2つの光の和周波数が発生するSFG(Sum Frequency Generation)は2次の非線形効果の一種で,特殊な結晶中のみで生じる。一方,屈折率が入射光の強度に比例して変化する光カー効果は3次の非線形効果の一種であり,すべての物質に存在する。これらの非線形効果の応答はフェムト秒に達するといわれている。

◆ 《非線形効果(光ファイバの)》

光ファイバに入射する信号光が大きくなりすぎると,光ファイバへの入力が飽和したり,波形が劣化してしまう。そのため信号光の減少や光スペクトルの変化が起きる。これを光ファイバの非線形効果と呼び,代表的なものに誘導ラマン散乱,誘導ブリルアン散乱,光カー効果がある。