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6月号 2026 Vol. 24 No. 6

Front-line Researchers

■ 概要
いかにも柔らかそうで触りたく見える物の動き。今にも前へ走り出しそうに見える物の絵柄。人間の目を通じて、このように感じとれるのは、一体どういった知覚の仕組みが作用しているからなのでしょうか。NTTコミュニケーション科学基礎研究所の河邉隆寛上席特別研究員は心理学の出身でありながら、情報処理の方法論を活用し、こうした脳内での視覚情報処理のメカニズムを解明しようとしています。また同時に、遠隔へ視覚的に質感を伝える技術の社会実装に向けても奔走されています。今回の取材で、最近の研究成果や今後の展望について伺いました。

Rising Researchers

■ 概要
現在の情報通信技術は、人々の生活や経済活動の基盤となっており、その情報処理の多くは電子によって担われています。近年では、電子が持つ電荷以外の性質に着目した研究が進み、二次元半導体の登場により、「バレー」と呼ばれる新たな自由度が注目されています。バレーは光の偏光と強く結びつき、新しい情報処理や光機能の創出につながる可能性を秘めています。今回はこの二次元半導体におけるバレー物性の解明と制御に挑む、眞田治樹特別研究員にお話を伺いました。

Feature Articles: Forefront Research on Ultrawide-bandgap Semiconductors

■ 概要
ウルトラワイドバンドギャップ半導体は、高耐圧・高周波・高耐環境特性を兼ね備え、サステナブル社会の実現と将来の革新的デバイス・システム創出を支える基盤材料として注目されています。NTT物性科学基礎研究所では、長年の材料基礎研究で培った結晶成長技術を基盤に、窒化アルミニウム(AlN)、立方晶窒化ホウ素(c-BN)、ダイヤモンドを中心とした研究開発を推進しています。本稿では、ウルトラワイドバンドギャップ半導体の最新成果と展望について紹介します。
■ 概要
窒化アルミニウム(AlN)は超高温環境下でも動作する半導体デバイス材料として期待されています。本稿では高温エレクトロニクス応用分野とAlNの有効性を解説し、NTTにおけるAlN 系トランジスタの開発と1000℃での動作実証、ならびにすべての半導体材料中で最高の電流オン・オフ比が得られた成果を紹介します。
■ 概要
窒化アルミニウム(AlN)系窒化物半導体は、極めて高い絶縁破壊電界を持ち、次世代無線通信に向けた高出力・高周波デバイス材料として注目されています。しかし、高Al(アルミニウム)組成領域では従来の不純物ドーピングによる伝導性制御が困難となり、高周波トランジスタ動作の実現は長年の課題でした。本稿では、窒化物半導体に特有の分極を利用した、新しい伝導性制御手法である分極ドーピングについて解説し、本手法によりAlN系トランジスタの高周波動作を実証した最新の研究成果を紹介します。
■ 概要
深紫外レーザダイオードは、ウイルス不活化や分光分析、次世代通信などへの応用が期待されている光源です。本稿では、深紫外発光に適したAlN(窒化アルミニウム)系半導体に着目し、当該材料をレーザダイオードへ適用する際に顕在化する技術課題を整理します。さらに、n型コンタクト層の形成による電子注入特性の改善を目的としたNTTの技術的取り組みについて紹介し、深紫外レーザ発振の実証を通じて、深紫外光源の性能向上に向けた方向性を示します。
■ 概要
ウルトラワイドバンドギャップ半導体の1つである窒化アルミニウム(AlN)は、優れた電気絶縁性に加え、高い圧電性を持ちます。さらに、他の圧電材料と比べて軽量であることから、ギガヘルツ帯の高速な弾性波を電気的に励起・検出できる圧電トランスデューサとしての利用が期待されます。本稿では、高品質なAlN圧電トランスデューサを用いたギガヘルツ弾性波素子の創出と、高速弾性波を用いた新規物理の探究に取り組むNTTの研究を紹介します。
■ 概要
NTT物性科学基礎研究所では、持続可能社会の実現に貢献することをめざし、省エネルギー電子デバイス向けの新規半導体材料の結晶成長技術開発にも取り組んでいます。本研究では、ウルトラワイドバンドギャップ半導体である立方晶窒化ホウ素(c-BN)に着目し、その機能拡張を目的としてc-BN系新規混晶材料である立方晶窒化ホウ素スカンジウム(c-BScN)のエピタキシャル成長に世界で初めて成功しました。これらのc-BN系半導体は、次世代パワーデバイスへの応用が期待できます。
■ 概要
ダイヤモンド半導体は、半導体物性とスピン物性が共に優れていることから、スピントロニクスにおける次世代基盤材料として期待されています。本稿では、ダイヤモンド半導体へのスピン注入の実現という課題に対し、強磁性金属とダイヤモンド半導体の接合界面に形成されるショットキー障壁をトンネル障壁として活用するアプローチに着目し、パーマロイ合金をショットキー電極としたダイヤモンド半導体ショットキーバリアダイオードにおける電流輸送機構の解明に取り組んできた成果について紹介します。

Regular Articles

■ 概要
光回線スイッチ(Optical Circuit Switch: OCS)は、光電変換を介さずに信号経路を切り替え可能な通信装置であり、ネットワーク全体としての大容量化、低遅延化、ならびに消費電力効率の向上に寄与し得る技術として、次世代データセンタネットワーク(DCN)の中核要素として注目を集めています。しかしながら、OCSによって構成されるネットワークにおいては、OCS間およびOCS・端末間を接続する膨大な数の光ファイバの配線状態および品質を、従来の電気パケット網のようなパケットベースの手法によって検査することができません。このため、運用開始前の段階において、膨大な数の光ファイバの接続状態および伝送品質を体系的かつ確実に検証することが困難であるという課題があります。本稿では、この課題に対処するために、階層型OCSネットワークにおけるOCS間光ファイバの効率的な検査技術と、OCS・端末間光ファイバの検査技術を提案します。

Global Standardization Activities

■ 概要
IEC TC86(Technical Committee86:第86専門委員会)はIEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)において光ファイバ通信に関する国際規格制定を担う標準化組織です。ここではIEC TC86における標準化活動の概要と、特に最近の会合で議論された光ファイバ・ケーブル技術のトピックと今後の展開について紹介します。

External Awards
外部での受賞

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